税理士の経営・財産・相続トピックスVol.074「教育・研修費」
令和元年10月1日から消費税が10%になりました。時同じくして、幼児教育・保育の無償化制度が始まりました。
全てが無償というわけではありませんが、3歳から5歳児クラスの幼稚園、保育所等の利用料が一定の条件と限度の中で無償になるものです。
無償となる金額には上限があり、除外される費用もありますが、幼児教育・保育の支援を進める制度です。
調査する年度によって異なりますが、大学生・大学院生のうち3人ないし2人に1人は、なんらかの奨学金を受けているようです。金額は1人あたり数百万円。私立大学理系に進学し、東京での一人暮らしだとすると年間300万円ぐらい必要でしょうか。
新入社員の年収ぐらいになってしまいますね。海外に留学したら、その費用に飛び上がるほどびっくりしてしまいます。
幼稚園は無償になっても、その後の高等教育にかかる費用は増加傾向にあり、「これだけ多くの費用がかかった」と、金額についての話題は尽きることがありません。
「すばらしい教育を受けて、これだけ教育費がかかったので嬉しい!」という声は少ないです。賢い子供で教育費がかからなくて良かった、教育費は少なくしたい、教育費が多かったら残念、そんな教育文化があります。
楽しみな教育と嬉しい教育費の使い方なのか。教育には親の思いと子供の気持ちが表れます。
さて、企業ではどうでしょうか。
「出来の悪い社員で研修費がかかって仕方ない」「研修費をかけるのももったいない社員ばかりだ」。
それとも、「最高の社員研修を受けさせて、どんどん育成に力をいれよう」「社員のための研修費はたくさん使うのだ」「この研修は受けさせて本当に良かった」。
使って嬉しくなる研修費になっていますでしょうか。研修には経営者の思いと社員の気持ちが表れます。
家庭でも、企業でも、教育費と研修費には親と経営者、子供と社員の表情が見えてくるのです。
研修費がまったく出てこない決算書は残念です。
2019年11月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
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